2010年11月25日木曜日

村上隆展 in ヴェルサイユ宮殿

ヴェルサイユ宮殿で開催中の村上隆展に行ってきました。村上隆は、マンガ文化の表現方法を芸術作品として発表している、世界でビジネス的にも最も成功しているアーティストの1人です。ルイ・ヴィトンとコラボしていたというとピンとくる人も多いのでは?!

正直、作品にはあまり興味はなかったのですが、ヴェルサイユ宮殿で開催されるにあたり、フランスでも反対の署名活動が行われるほど賛否両論を巻き起こした展覧会でしたので、一応この目で見るべきだと思い、行ってきました。
インタビューで「歴史の衝突」、「異文化の衝突」とあったようですが、逆にヴェルサイユ宮殿を意識し、調和を狙っているかのような作品も多くありました。いい意味でも悪い意味でも、現代の妖怪が歴史的に意味のある宮殿を侵略していってる感じです。代表作のひとつでもある、ポルノ的描写の作品はさすがにありませんでしたが。宮殿を見に来た海外からの観光客にも不評のようです。見向きもしない人もいれば、なるべく写真に収まらないようにアングルに苦労している人もいました。まぁ、日本人としてここに自分の作品を展示できるってことは、とても凄いことであり、挑戦的であるとは思いますが・・・。

様々な議論が巻き起こったこの展覧会ですので、僕なりにいろいろ考えてみましたが、ここで開催する意図と効果がいまいち分かりませんでした。単刀直入に言うと、合わない。到底、調和しているとは思えないしギャップを承知の上で、あえて中世と現代が調和しないことが狙いなのか。衝突することなんて分かりきったことではなかったのか。違和感を与えるのが狙いなのか。不調和と違和感を楽しむものなのか。ただ単に異空間に仕立てるのが狙いなのか。あえて不調和な空間にする意図は何なのか。結果的にこう考えさせ、議論を巻き起こしたことが成功なのか。そうであれば僕は完全にこの異空間に引き込まれた事になりますが・・・。まぁ万人にウケる作品はこの世にはないとは思いますし、アートに対して賛否両論ある事は自然なことです。

ん~僕自身の感想としては、反対派。村上作品とヴェルサイユ宮殿との絡みは、あまりにも難し過ぎたのではないかと思いました。美術館などの箱ではない違う空間に作品を設置するというのは、この展覧会に限らず賛否両論あるのは当たり前だと思います。つくづく思ったのは「百聞は一見に如かず」ですね。見てみないと感じる事も自分自身で批評することもできないので、とりあえず行ってみて良かったと思います。アートって、「やってみないと分からない」、「見てみないと分からない」ことが多い世界なのかもしれません。だから多くのアーティストが表現の虜になっているのでしょう・・・。

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